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IT戦略化のための基礎講座 [第2回]
「IT戦略化はITマネジメント力の強化から−その1−」
 古くはSIS( Strategic Information System:戦略的情報システム )と呼ばれました。
「競争優位性を確保するために情報システムを有効に利用すること」。しかしこのSISは必ずしも大きな成果を上げることができませんでした。現代ではSISの替わりに「IT戦略化」。そして併せていわれるのが「ITガバナンス:企業が競争優位性構築を目的にIT戦略化の策定・実行をコントロールしあるべき方向へリードする組織能力」。この点がきわめて重要なのです。組織能力とは企業経営力すなわちマネジメント力のことです。ITを経営上戦略的に有効に利用するためにはIT化のためのマネジメント力が不可欠でこの点がSISとIT戦略化の最大の違いといってよいとおもいます。
IT化には大きく4つのレベルがあります。
□レベル1:経営改革レベル:ビジネスモデル改革
□レベル2:業務改革レベル:ビジネスプロセスモデル改革
□レベル3:業務改善レベル:個別的で範囲の狭い業務改善
□レベル4:事務効率化レベル:OA化、グループウェアなど定型的事務作業改善
 IT戦略化とはこれらのうち高い方(レベル1、2)においてのIT利用を意味します。
業務効率レベルや事務効率レベルでのIT利用は通常はIT戦略化とはいいません。
IT戦略化を取組み方からいうとつぎのようになります。2つあります。
 1つは、先に経営課題としてのビジネスモデル(事業の構図:図表2-1)構築やビジネスプロセスモデル(主要業務構造:図表2-2)構築がありそれを実現するために可能な範囲でITを活用する。
 もう1つは、ITが先にあってそれをうまく活用することにより経営上新たなビジネスモデル、ビジネスプロセスモデルを開発する。これらがIT戦略化です。
経営トップに必要な意識改革
「ITは苦手」「ITは難しくてよくわからない」という経営者もいるとおもいます。苦手でもITに精通していなくても経営者は経営能力があればよいのですからそのこと自体は問題ではありません。 IT化はIT部門の仕事と経営者がかんがえているとするとこれは問題があります。前述のIT化の4レベルのうち下位(レベル3、4)が中心であった一昔前のIT化についていえば、それらが企業の存続に直接には関係していませんからそれでもよかったのです。
 しかし最近では状況が一変していて企業の命運にかかわるなど、重要なIT化、重要なIT化システムの運用をIT部門などにお任せという経営の状態では企業の存在さえ危うくしかねません。最近のIT化における障害事例が明快に語っているとおりです。
企業のリーダーたる経営者に必要な意識改革としては下記のような事項があげられます。
  1. 経営者としてIT化にはほとんど参画していないのが現状です。IT化の4レベルのうち、レベル1、2についてのIT化やそれら重要システムの運用には経営者としての参画の度合いは高くなくてはなりません。

  2. 現状はIT化を経営上の目的としてしまっているケースが多数見受けられます。可能な限りをつくしてITを活用したとしてもIT化そのものは手段でしかありません。
    「顧客データベースの構築」はIT化ですが、それは販売する商品そのもの以外にサービスという点で付加価値をつけるための手段です。経営目的としては「顧客サービスを強化して売上拡大を図る」というようなことになります。

  3. 「ITの重要性を認識してはいるが、どこから手をつければいいかわからない」という経営者の声をよく耳にします。これはIT化を先に考えてしまうからです。
    企業として今年あるいはここ1-2年に重点的に取組もうとしている経営上の重点課題は必ずあるはずです。市場シェア拡大、市場や生産のグローバル化、サプライチェーン体制の見直し再構築、生産の統合、納品リードタイムの短縮など。
    重点的経営課題が先にあってその達成のために事業の構造を改革したり、業務を改革したり、社員や外注の仕事のやり方を変更したりしますがその改革や変更にITをどう活かすかがIT戦略化です。ITをどう活かすかはIT部門、ITベンダー、コンサルタントなどから提案をしてもらいその期待効果を経営者が判断します。
    経営としての重点的課題を示さないままIT化に取組もうとしてはなりません。

  4. ミッションクリティカルという言葉があります。 それが機能しないと巨額の損失や著しく信用の失墜を招くなど企業の存続を危うくさせるかもしれない企業としての業務もしくはそのような業務遂行のために利用されるIT化システムのことを指します。
    現状ではそのようなミッションクリティカルの意識が不足している経営者が中小企業経営者に限らず大企業経営者にも多く見られます。IT戦略化にあたってきわめて重要でITマネジメントの必要性をより明確にするものです。
IT戦略化をリードする組織能力それがITマネジメント
ITマネジメントは(図表2-3)に示すように4つの対象領域からなっています。
□IT戦略化企画・計画
□IT戦略化プロジェクトのプロジェクト管理
□IT関連組織のマネジメント
□構築システムの運用管理
(1)IT戦略化企画・計画
大きくは下記の2つに分けて考えます。

・IT戦略化企画:
経営戦略として策定した新たな事業構造(ビジネスモデル)の構築、主要な業務(ビジネスプロセスモデル)の改革にあたってどのようにITを活用するかを具体的に企画する。このIT戦略化企画については次々回の講座で少し詳しく論じる予定にしています。

・IT化計画:
経営戦略上のIT化以外のIT化についての計画すなわち中小規模のシステム開発や更新、ITインフラの増強更新、予算化、教育に関する計画を立案するものです。IT化計画は各年度の経営計画の一環としてその計画をとりまとめ、重要度・コストなど勘案して一年分の計画を作成します。
可能であれば中期IT化計画も併せて策定します。社内各組織に指示して年度予算策定の時期までIT化計画案、同要望案を提出させてIT化統括部門などでとりまとめ全社的観点から最終計画案を作成するとよいでしょう。
社内各組織にて作成する案は(図表2-4)(図表2-5)のような統一様式を使うとその後の検討がしやすくなります。年度途中での起案もこの様式で受け付けます。
IT戦略化企画案もこの様式を使いますが、この場合はさらに詳しい企画内容を添付資料として作成します。

(2)IT化プロジェクトのプロジェクト管理図表2-6
 プロジェクト管理は規模の大小を問わずプロジェクトの実施にあたって欠くことのできない重要なマネジメントです。IT化プロジェクトにかぎらず、工場建設プロジェクト、物流センター建設プロジェクト、新商品開発プロジェクト、本社移転プロジェクト、会長の社葬プロジェクトなど、すべてのプロジェクトについていえます。特定の目的の達成のために一定期間組織を編成して行う一連の活動がプロジェクトです。

 特定の有期の委員会を編成してこれらを実施したりするのはプロジェクトと同一のものです。
プロジェクトの実施項目をすべて抽出して範囲を定め(【2】スコープ管理)、これをもとに工程計画を立てます(【3】工程管理)。プロジェクトの実施組織を編成し役割分担を定め(【6】組織管理)、プロジェクトコストを算定して予算化します(【4】コスト管理)。
そして必要な外部資源を調達します(【9】調達管理)。対象プロジェクトが負う納期、コスト、品質、安全上のリスクを想定し必要な対応策を講じます(【8】リスク管理)。

 所定の機能や性能、作成図書とその内容、テスト項目、テスト方法など品質にかかわる事項を管理します(【5】品質管理)。プロジェクト実施期間中関係者すべてが設計情報などを含むプロジェクト情報を共有できる仕組みを講じます(【7】コミュニケーション管理)。プロジェクト実施条件の変更や設計条件の変更が関係するプロジェクト要員に遅滞なく徹底しその変更による工程やコストへの影響を検討します(【10】変更管理)。
そして最も重要なプロジェクト管理機能がこれらを統括的に管理する機能(@統合管理)です。以上がプロジェクト管理の内容です。

 どの経営レベルがどこまで関与するか、どの管理機能を特に重視するか、は対象プロジェクトの特性によって異なります。プロジェクト管理については事例を後の回の本講座でご紹介する予定にしています。
−(次回につづく)−
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